従業員と、事業と、日本経済とを守るために。
新型コロナウイルス感染症の拡大に関するニュースを耳にしない日がなくなり、ビジネスにも影響が出始めています。すでに時差出勤、リモートワーク、対面での会議禁止、出張禁止等の対策を発表した企業も少なくありません。
自社の従業員やその家族を守るために、取引先企業を危機にさらしてしまわないためにも、そしてなにより日本経済への影響を長引かせないためにも、各企業における感染拡大防止の取り組みが求められています。
会社方針の決定と周知
以下のような観点を整理し、会社の方針を決め、周知するようにしてください。
◆従業員を守るための方針と対策
従業員に向けた対策は、下記のような対策が考えられます。
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テレワークが可能な業務であれば、テレワークをできるだけ推奨するのも一つの方法です。この機会に部門全体でテレワーク対応の可能性を探ってみるのもよいかもしれません。
新型コロナウイルスは潜伏期間が長いのも特徴のひとつです。発熱時の出勤停止期間の方針、感染者が出た場合の同じ職場の従業員への処置方針なども決めておくほうがよいでしょう。
特に、発熱等で従業員が休んだ場合は、その取扱いについての説明も必要です。年次有給休暇取得を促進する、会社として休業補償を行う、などが考えられます。休業補償をする場合は、それが何割なのかなども説明し、従業員に不安を与えないようにするとよいでしょう。
これらの方針がきまったら、従業員に対し会社の方針を文書化し、通達を出しておきましょう。過度な対応や不安をあおる情報は従業員を混乱させかねません。社内の実態に合わせた現実的な対応で、しかもしっかりとした予防措置になる方法を選択するようにしてください。従業員への不要不急の外出を控える等の指導もお願いいたします。
◆取引先を守るための方針と対策
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契約履行や顧客満足度との兼ね合いもありますので、あくまで取引先を守るための手段として有効なものを実施してください。そして、これらの方針を取引先へ公表・説明し、企業姿勢を理解していただくことも大切なポイントです。
感染防止の情報は、厚生労働省のページから、常に最新情報を入手するようにしてください。
従業員を休ませる場合の対応について
◆休業手当を支払う場合
新型コロナウイルスは指定感染症として指定されたため、法的な休業補償支払義務はありません。休業補償を行った場合は、その一部について雇用調整助成金が活用できる場合もあります。
ただ企業として、安心して療養してもらえる環境を用意することが重要な時期でもあります。一般に休業補償を行う場合は賃金の6割となりますので、これを基本として労使で検討していただくとよいでしょう。新型コロナウイルスへの感染かどうかがわからないまま高熱で休業する場合のありますので、有給休暇を使用するか休業補償を使用するかを選択してもらうなどの手法をとるのもよいかもしれません。
◆年次有給休暇を使う場合
お休みする期間が長くなることが予測されますが、年次有給休暇を使用する場合は注意してください。年次有給休暇は原則として、労働者が請求する時季に与えるもの。本人が希望して有給休暇を消化する分にはよいのですが、会社が一律に年次有給休暇を消化させるといったことはできません。
雇用調整助成金を活用する
雇用調整助成金とは、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金等の一部を助成するものです。
日本・中国間の人の往来の急減により影響を受ける事業主であって、中国(人)関係の売上高や客数、件数が全売上高等の一定割合(10%)以上である事業主が対象となります。
厚生労働省 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例を実施します(PDF)
雇用調整助成金の最新情報は、厚生労働省のページで確認してください。
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