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COLUMN

“重なる”組織、“伸びる”チーム。中小企業のためのスマート経営。

経営と組織に“重なり”はあるか?

経営者として、経営戦略や事業計画について考える機会は多いと思います。しかし、そこで描いた未来像が、組織の中でどう実現されているかを意識している経営者は意外と少ないのではないでしょうか。

「経営と組織に“重なり”をつくる。」
これは、私たちが組織設計において最も大切にしている視点です。

いくら素晴らしい戦略を立てても、現場で行動に移されなければ意味がありません。経営の意思と現場の行動が噛み合うには、「心(価値観)」「技(仕組み)」「体(行動)が一貫している必要があります。

たとえば、「テレワークを推進する」という戦略があるとします。
それに対して、「勤怠ルール」「人事評価制度」「社内コミュニケーションの仕組み」「業務の標準化」など、具体的な制度や行動と矛盾がない状態をつくる。
これが、“重なり”のある組織設計です。

チームで勝つ、という戦略

中小企業が大企業と同じ土俵で戦うのは、資本や知名度の面でハンデがあります。しかし、唯一無二の強みを磨き、それをチームで発揮することができれば、十分に伍して戦える時代です。

私たちは「長所伸展」という考え方を軸に、個人の強みを起点にしたチーム編成を行っています。
すべてを平均的にこなせる“万能型”を求めるのではなく、得意なことに集中できる環境を整え、「チームとして完成度を高める」という発想です。

2011年のアメリカ映画、ブラッド・ピット主演の映画『マネーボール』でも描かれたように、何でも器用にこなせる万能型の選手ではなくとも、何か特出した能力がある選手を適材適所で組み合わせれば「全体として強いチーム」はつくれます。
これは、人手不足が深刻な中小企業にとって、極めて現実的かつ戦略的な人材活用のアプローチだと考えます。

ただし重要な視点は、「単に理論上の組み合わせをすればうまくいく」という話ではなく、経営戦略に合った能力や価値観を持っていることが重要です。

経営と組織の“重なり”をどう生み出すか

「理念理念って言っても、目の前の仕事が回らなければ意味がない」
経営者の方から、そんな声を聞くことがあります。私自身もそう思います。

確かに、理念は経営の羅針盤になりますが、それだけでは経営は動きません。
特に組織が小さいうちは、「誰がやるか」「どう動くか」という行動と実行こそが最重要です。現場に落とし込めなければ、理想はただのスローガンで終わってしまいます。

一方で、規模が大きくなればなるほど、経験と知識を活かした仕組みづくりが不可欠になります。仕組みがなければ、同じ価値観を共有していても、動きにバラつきが出て、組織はすぐに揺らぎます。

つまり、理念だけでなく、「行動」「仕組み」「実行」のバランスが必要なのです。これをつなぐのが、私たちが日々考えている“経営と組織の重なり”です。

では、その重なりをどうつくるのか?
その鍵は、「個人の自己実現」「企業の経営戦略」の接続にあります。

自己実現が生まれる環境を設計する

企業が従業員を活かす経営をしたいと願うのであれば、従業員一人ひとりの自己実現が欠かせません。
そして、そのためには、 “インサイト”を見つけることが重要です。
インサイトとは、「その人も気づいてない行動の裏にあるホンネ」「隠れた心理」といったところです。

たとえば、ある従業員が「人と話すのは苦手だけど、実は文章での発信が得意」だった場合、その力が活きるポジションを用意することで、本人の力が自然に引き出され、貢献度も高まります。

これは単なる適材適所ではありません。

「価値観」×「得意なこと」=らしさ

「らしさ」×「インサイト(本人も気づいてない行動の裏にあるホンネ)」=自己実現

このように、従業員の“らしさ”を起点とした戦略的組織設計が、中小企業にこそ必要だと私たちは考えています。
そして、経営者がその“らしさ”を見極め、活かせる環境を用意することで、企業の強みはさらに際立ちます。

また、経営戦略においても同じことが言えます。

「(組織の)価値観」×「(組織の)得意なこと」=らしさ(社風や文化)

「らしさ」×「インサイト(お客様も気づいてない行動の裏にあるホンネ)」=経営戦略

このように、経営戦略も“らしさ”を起点として商品やサービスを設計することで、中小企業の軸が出来上がります。

経営戦略と採用の“ベクトル”を揃える

この“自己実現”と“経営戦略”の重なりを組織として生み出すには、採用段階から「価値観のベクトル」を合わせることが必要です。

どれだけスキルが高くても、価値観がズレていれば、遅かれ早かれミスマッチが起きます。
逆に、価値観が一致していれば、スキルや経験が未熟でも、育成の中で驚くほど成長することがあります。

その上で、会社は一人ひとりが能力を発揮できる“環境”を設計し、「お客様も気づいていないニーズ」に応える価値提供を仕掛ける。
この一連の流れが、まさに経営戦略の実行であり、「組織づくりは経営そのもの」である理由です。

“重なり”がある組織は、強くてしなやか

私たちが目指す組織像は、「理念が行動につながり、個の力がチームで活きる状態」です。

経営者の想いと現場の動きが重なる

従業員のらしさと企業の戦略が重なる

価値観と仕組み、戦略と採用が重なる

この“重なり”のある組織は、ブレずに強く、状況に応じてしなやかに変化できます。まさに、これからの時代に求められる“スマートな組織”です。

社労士として、私たちは法令対応にとどまらず、こうした仕組みの設計や、組織づくりの支援を通じて、企業の未来に伴走したいと考えています。

「労務をもっとスマートに、社労士をもっと身近に。」

 

その想いを、これからも言葉と行動で、届けていきます。

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