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COLUMN

「シンプルに考える力」が、労務と経営をつなげていく。

「シンプルに考える力」が、労務と経営をつなげていく。

人を雇えば、労務は避けて通れません。
社会保険、雇用契約、労働時間、残業手当……制度は年々複雑さを増しています。
その一方で、売り手市場の今、企業経営において「労務」の重要性は高まる一方です。

「この雇用契約書の書き方で良いか?」「就業規則の変更はこの表現で良いか?」と、現場では日々細かな判断が求められています。
しかし、制度を正しく理解することそのものが、非常に難しい。実務担当者も、経営者も、手探りの中で「正解」を探しているのが現状ではないでしょうか。

でも、実は——労務はもっとシンプルに考えることができるのです。

そもそも、労務と経営は一体であるべき

私たちは社労士として、採用や賃金設計、評価制度の相談を日々受けています。
そのなかでしばしば感じるのが、労務と経営との間にある“断絶”です。

たとえば「社員は家族のように大事にしたい」と話す経営者が、成果主義や歩合給を軸にした評価制度を導入している。
あるいは「能力重視の人材登用」を掲げているにも関わらず、家族手当や住宅手当といった“能力とは無関係の制度”がそのまま残っている——そういった矛盾を多く目にします。

これは、「制度が間違っている」という話ではありません。
問題なのは、経営理念・方針と労務制度の間に一貫性がないことです。

労務は経営の“表現手段”の一つであり、数ある経営の“実践方法”の一つです。
だからこそ、制度の一つひとつが会社の価値観と一致している必要があります。

どんなに手当を増やしても、テレワーク制度やフレックスタイム制度を導入しても、経営、すなわち売上や利益につながらなければ、それは単に経営者の自己満足に過ぎません。

「複雑にすること」が、正しさではない

通勤手当、住宅手当、資格手当、皆勤手当……長年運用されてきた結果、給与制度が複雑になっているケースは多くあります。
一つひとつは良かれと思って導入された制度でも、いまや「意味を説明できない」「運用が煩雑」という状態になっていることも少なくありません。

こうした状況を見直すとき、私たちが大切にしているのは「制度の目的」と「会社の価値観」が一致しているかどうかです。
ただ減らす、整理するだけではなく、「何を大事にしたいか」を軸に再設計する。
それが、制度と経営の一貫性を高め、社内外の信頼にもつながります。

仕組みが整えば、人はもっと動ける

社労士として主要な業務の一つが、日常の労務業務です。
日々の労務業務は、入退社手続き、勤怠管理、給与計算、年末調整など、非常に煩雑です。
この業務が「担当者にしか分からないブラックボックス化」してしまっている企業も多いのが実情です。

私たちは、煩雑でブラックボックス化している業務を紐解き、シンプルに整理し、クラウド労務ソフトの導入を通じて、“繰り返し作業は仕組みで解決する”という考え方をご提案しています。

仕組みが整えば、「チェック」や「判断」といった人が本来担うべき仕事に集中できます。
労務の効率化は、単なる業務改善にとどまらず、経営戦略を実行するための“動ける組織”をつくる土台にもなるのです。

社労士の役割は、「整えること」

社労士と聞くと、法改正の説明や書類の作成、就業規則の作成が思い浮かぶかもしれません。
確かにそれも大事な仕事ですが、私たちが本当にお手伝いしたいのは、その“前”の部分です。

つまり、「この制度は、会社の考え方と合っているか?」という“問い”を一緒に掘り下げ、制度と現場のズレを整えていくこと。
そこに、社労士としての真の価値があると考えています。

労務は経営の一部です。だからこそ、「相談のハードル」はもっと低くあっていい。
「何から始めればいいか分からない」――そんな段階からこそ、私たちを頼ってほしいのです。

一貫性が、組織に信頼をもたらす

人と制度、制度と理念、理念と日々の言葉。
このつながりが“ちぐはぐ”では、従業員は違和感を覚え、やがて離れていきます。
しかし、すべてのレイヤーに一本の軸が通っていれば、組織はスムーズに動き出すのです。

「うちの会社は、理念唱和してるから。」
「クレド作成して、社員に渡している。」

よく聞く話も“やってるだけ”で終わっている。
理念やクレドと、経営・事業の軸がずれているのは、よくある話。

その軸を整え、制度をシンプルに設計し、事業に落とし込み仕組みを最適化する。
それこそが、社労士がご提供するサービスの本質です。

労務は、もっとスマートにできる。
社労士は、もっと身近な存在になれる。
そして、“整った労務”は、“信頼される組織”をつくる力になると、私たちは信じています。

「シンプルに考える力」が、労務と経営をつなげていく。

労務は経営の一部でしかありません。
だからと言って軸がなく、バラバラに作ってしまえば、経営の一部にすらなりません。

私たちは、まずはその軸を整えることが重要と考えています。

そのうえで、制度をシンプルに設計し、クラウドを活用して仕組みを最適化する。
それこそが、私たちがご提供する「スマート労務」の本質です。

困った時こそ、社労士の「知恵と経験」が役に立つ。
労務は会社から社員へのメッセージです。
私たち社会保険労務士の仕事は、労働社会保険の手続き代行や就業規則の作成ではなく、“不安なく、安心して働ける職場”をつくるための仕組みを提案することです。

「何がうまく行かないのかわからない」「何となく社内に活気がない」と感じているなら、ぜひ一度ご相談ください。

あなたの会社にとって、最適な選択を一緒になって考えます。

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