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COLUMN

勤怠・給与計算・社会保険手続き…労務をクラウドでどこまで自動化できる?

クラウドシステムを導入しただけで終わらない、自動化のススメ

働き方改革やコロナ過の影響により、労務業務もペーパーレスやクラウド化が一気に進みました。

行政の押印廃止や電子申請の受付窓口の開設は、労務業務にも大きな変化を与えています。

ただ、まだまだ十分に活用されているとは言えず、令和5年度の36協定(時間外労働・休日労働に関する協定届)の電子申請割合も3割にも満たないのが現実です。

本記事では、「勤怠・給与計算・社会保険手続きなどの労務業務がクラウドでどこまで自動化できるか?」を社会保険労務士の視点から解説します。

はじめに:労務業務の自動化や業務プロセスの改善はどこまで進んでいるのか?

(勤怠システム)
クラウド勤怠システムの発達により、打刻するだけで自動的に労働時間を集計できます。打刻漏れや二重打刻などがあれば修正は必要ですが、事前設定によりアラートの表示やメール通知などにより人を介すことなく次のアクションを行えるなど、しっかりと勤怠システムを使いこなすことで圧倒的な自動化が可能になっています。

(給与計算システム)
API連携対象の勤怠システムや社会保険・雇用保険の電子申請システムから、ワンクリックで情報の連携が可能になっています。勤怠データの自動取り込みや社会保険の標準報酬月額の等級の自動変更により、ワンクリックだけで給与計算が完了することが可能です。計算結果も、WEB明細の活用で、給与計算から数秒で給与明細の配布が完了します。

(労務管理システム)
従業員情報の収集から雇用契約書の作成、社会保険や雇用保険の電子申請まで、ペーパーレスで実行可能になっています。手続きの完了した書類の受け渡しも電子データでそのまま従業員に交付することが可能で、支店や営業所の多い会社は郵送コスト削減や書類の行方不明から解放されます。

クラウド勤怠システムで業務を自動化する方法

(出退勤の自動記録)
ICカードや顔認証、スマホ打刻などにより打刻記録を自動化することが可能。ドアロックとの連携やWindowsログオンなどの打刻手段であれば、“打刻する”ということも自動化が可能です。

(勤怠集計の自動集計)
クラウド勤怠システムの機能として、1年単位の変形労働時間制やフレックスタイム制の対応があります。打刻するだけで、自動的に集計されるので、所定外労働時間や法定外労働時間など割増率の異なる集計を意識せずとも自動集計されます。
よくある、お昼の弁当代の注文回数なども、自動集計して給与計算システムに連携することも可能です。

(有給休暇付与日数の自動計算)
勤怠打刻により出勤率などの算定が可能になります。有給休暇の付与条件を予め設定しておけば、出勤率やシフトによる所定労働日数の違いによる付与日数も勤怠システムが自動集計してくれます。

(アラート発信で自動アナウンス)
打刻漏れや二重打刻などのエラー、未申請残業がある場合などもアラート通知が設定可能。毎月の嵐のような催促が嘘のように、勤怠システムが自動でアラート通知を行ってくれます。

(シフト自動作成)
パートさんのシフト登録など面倒な作業も、パートさんの習熟度や必要な人員数を登録することで勤怠システムが自動で作成してくれます。もちろん自動作成されたシフトの変更も可能です。

クラウド給与計算システムの導入で手作業をゼロに

(勤怠システムと連携して自動取込)
API連携している勤怠システムと給与計算システムであれば、予め設定した内容で勤怠データの自動取込が可能です。従業員毎に勤怠データの手入力やCSVでの取込は不要。ワンクリックで取込可能で、その時間わずか1秒。

(手当の自動計算)
出勤日数に応じて計算される手当、固定残業手当の超過残業代、通勤手当の非課税額など、自動計算可能です。勤怠システムからの取込データを詳細にわけることにより、より細かな手当の計算が可能になります。

(労務管理システムと連携して自動変更)
API連携している労務管理システムと給与計算システムであれば、社会保険の被保険者資格取得日や標準報酬月額の等級、雇用保険の資格取得日の情報がワンクリックで連携可能です。年金事務所やハローワークからの通知書をいちいち確認しなくても、ワンクリックで更新されて保険料の自動計算が一瞬で完了します。

(銀行振込データの自動作成)
FBデータと呼ばれる全銀フォーマットが自動で作成されます。作成されたFBデータをインターネットバンキングに取込だけで、従業員への給与振込処理が完了します。手入力の間違いのストレスから解放されます。

(WEB明細で自動配布)
給与明細を印刷したり封筒を用意したりする必要はありません。指定日にメール配信や公開されるので、給与計算が終われば自動的に配布されるのを待つだけ。手間だけでなく、給与封筒のコストも削減できます。

社会保険手続きを社労士とクラウドで完全自動化しDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現

(社労士に委託で手続業務の電子化も自動完結)
2025年1月1日から義務化された労働安全衛生関係の一部の手続(労働者死傷病報告/定期健康診断結果報告など)も社労士に委託することで電子化に対応可能です。
入退社の社会保険や雇用保険の手続きも電子申請に対応する社労士に委託すれば、面倒なシステムの導入や設定なども、丸っと電子化に対応できます。

(API連携可能なシステムで自動連携)
社会保険の被保険者資格取得日や標準報酬月額の等級、雇用保険の資格取得日の情報も委託する社労士事務所の労務管理システムと自社の給与計算システムを連携することで、自動連携可能になります。給与計算は委託せずに自社で行ったとしても、社会保険手続きの社労士委託で給与計算業務が効率化されます。

(Case1:従業員一桁から80人に急激に増加した製造業)
≪漏れのない給与計算や、スムーズな労働社会保険申請が実現。作業効率が飛躍的に向上し、もうアナログには戻れません。≫

(Case2:従業員30名の輸入品販売・雑貨小売業)
≪クラウド化で作業時間が大幅に短縮。精神的な負担も減りました。≫

企業が導入すべき「クラウド労務の最適な仕組み」

「企業が自計化すべき部分」と「社労士に任せる部分」の適切な切り分け

(企業が自社で管理すべき業務)

勤怠打刻の相違や残業・有給休暇の申請漏れなどが、外部の社労士では把握できないことを考えると、勤怠の締め作業までは企業で自計化するべきと言えます。一方で、労働時間制に合わせたシステムの集計設定や社内の申請ルールづくりなどは、専門家である社労士と一緒に取り組むと良いでしょう。

給与計算システムが、勤怠システムや労務管理システムと連携しているのであれば、もはや給与計算業務は完了していると言えるかもしれません。労働時間や出勤日数に紐づかない手当は、給与計算を外部に委託する場合でも必ず社内に残ります。結局、手当の集計作業が残るのであれば、給与計算も自社で行うのが良いでしょう。

(社労士に任せるべき業務)

社会保険・雇用保険の手続きや法改正対応などの、個人毎に対応が異なる業務や不定期で発生する業務は、社労士に任せることで効率化が図られるでしょう。また、多くの企業の事例を扱う社労士を介することで、自社だけでは思いつかなかった方法も選択肢として提示してもらえるかもしれません。

勤怠システムや給与計算システム、労務管理システムが連携していない場合も社労士に任せるべきと言えるかもしれません。社会保険の標準報酬月額の等級が変わればどこに影響するのか、新たに発生した勤務時間帯の集計はどこに影響するかなど、影響の範囲を見誤れば給与計算結果や従業員の年金にも影響を与える可能性があります。

最適なクラウドシステムの組み合わせ事例

100人規模の製造業:工場勤務のシフト管理と給与計算をAPI連携

KING OF TIME」×「マネーフォワードクラウド給与」×「オフィスステーション労務

多機能でどんな企業にも最適化できる勤怠システム

汎用性が高く、多くのシステムとAPI連携可能な給与計算システム

多くの電子申請可能な帳票に対応する労務管理システム

30人規模のIT企業:フルリモート社員の勤怠管理を完全クラウド化

freee勤怠管理Plus」×「freee人事労務」×「SmartHR

多機能でどんな企業にも最適化できる勤怠システム(KING OF TIMEのOEM製品)

UIの優れたシンプルで使い勝手のよい給与計算システム

30人まで0円で使える労務管理システム

まとめ:クラウド労務の自動化で企業が得られるメリット

事務負担や抜け漏れ・ミスの削減による業務効率向上  → API連携による生産性の向上ができる

労務コスト(人件費・アウトソーシング費用)の最適化 → 自前主義から固定費の変動費化ができる

法改正や法令遵守体制に対応できる環境構築      → 専門家を活用した体制強化ができる

自動化による労務担当者の戦略的な業務に集中     → 社員の戦略的活用に重点投資ができる

お客様に合ったシステム選定や制度導入を支援します

あかつき社会保険労務士法人では、お客様の業種や企業規模・ご希望に沿ったシステム選定や制度導入を支援しています。

「システム導入が初めてで選び方が分からない」「システム会社への問い合わせだと、都合の良いことしか教えてくれない」「どのシステムが自社に最適かわからない」といったお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

残念ながら、どんな業界でも、どんな働き方にも対応できるシステムはまだ登場していません。
勤怠システムや給与計算システム、労務管理システムのそれぞれの長所を組み合わせながら、システムが対応できない場合には、時には自社の制度やルールも変える必要があります。
そんなときには、是非クラウドシステムの運用に強みをもった社労士にご相談ください。

まずはオンラインでヒアリングを実施します。お問い合わせフォームより、ご連絡をお待ちしております。

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