COLUMN
入退社や異動辞令により新生活がスタートする方々が多い年度末・年度初め。各種保険手続きが非常に混み合うため、「健康保険被保険者資格証明書」の交付作業を行うことも多かったでしょう。でも、マイナンバーカードの保険証利用が、この手間を省いてくれそうです。
先日ハローワークより、このような通達がありました。
「雇用保険の仕組み上、離職した事業所の資格喪失届の処理が終了していない場合、資格取得届の 処理を行うことができないため、4月において資格喪失届の処理を最優先とし、資格取得届については 4月下旬まで先送りとします。」
3月末で退職となる方が多いため、その資格喪失処理をしてから、4月入社の方々の資格取得届の処理を行うことになるため、こんなに遅くなる可能性がある、ということなのです。雇用保険の手続きに限らず、社会保険のお手続きでも同様に、年度末から年度初めに発生した手続きには毎年のように、通常の何倍も時間がかかります。
日本の企業の多くが人事考課期間を新入社員の入社、つまり学校の卒業に合わせています。そうなると必然的に、3月から4月は入退社や異動辞令がこの時期に集中します。この時期のお手続きの数は、弊社がご依頼を受けるお手続きだけでも年平均の数倍になります。そうなるとハローワークも年金事務所も、込み合うので手続きに時間がかかります。多くの従業員にとって困った事態が起こる可能性があるのは、保険証です。
例えば入社や異動でこの春会社で社会保険資格取得等の手続きを依頼した場合、場合によっては4月いっぱい、あるいはゴールデンウィークあけまで保険証が届かない、という可能性もあります。コロナ禍もまだ収束していないこの時期、自分やご家族が病気になってしまったら・・・保険証がない日が長引くと、心もとないですよね。「病院に行くときにはどうしたらいい?」「支払ったお金はどうしたらいい?」総務・人事のご担当者に質問が殺到しかねません。そのため総務・人事のご担当者は、保険証の送付が遅れている従業員に対し「健康保険被保険者資格証明書」の交付作業も行うことになります。ただでさえ慌ただしいこの時期、従業員の方々も総務・人事の方々も、不便を強いられ気ぜわしくなるばかりです。
ところが、今年の年度末・年度初め以降は、この不便さを少し緩和できるかもしれません。なぜなら、マイナンバーカードの保険証利用が本格スタートしているからです。
2021年10月21日、デジタル庁からこんな発表がありました。「マイナンバーカードの健康保険証利用の本格運用がスタートしました(https://www.digital.go.jp/posts/lCQU-uoB)」。厚生労働省のページでも(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08277.html)、マイナポータルでも(https://myna.go.jp/html/hokenshoriyou_top.html)、詳しく案内されていますが、みなさんマイナンバーカードの保険証利用は、すでに申込されているでしょうか?企業にお勤めの方々はすでに保険証がありますし、あまりメリットを感じなかった方も多いかもしれません。ところが異動辞令や生活スタイルが変わる季節、実はとても便利なものになる可能性があります。マイナンバーカードをすでにお持ちの方はぜひ、マイナンバーカードの「保険証利用」の申し込みをご検討ください。
マイナンバーカードの「保険証利用」を申し込んでいると、こんなメリットがあります。
就職・転職・引越しをしても健康保険証としてずっと使える!
マイナポータルで特定健診情報や薬剤情報・医療費が見られます!
マイナポータルで確定申告の医療費控除がカンタンにできます!
窓口への書類の持参が不要になります!
マイナポータル(https://myna.go.jp/html/hokenshoriyou_top.html)より
お手続きは各自マイナポータルでカンタンに行えますので、入社や異動の前に済ませておくとよいでしょう。
まだ使える医療機関や薬局は限られていますが、厚生労働省のホームページで、マイナンバーカードが保険証として使える医療機関・薬局の一覧を見ることができます(https://www.mhlw.go.jp/stf/index_16743.html)。マイナ受付のステッカーとポスターが目印だそうです。令和5年3月末にはおおむねすべての医療機関等での導入を目指す、とされていますので、もう少しですね。