COLUMN
つい先日、SmartHRが人事評価機能をリリースしました。普段お客様のお手続きサポートのためにSmartHRを操作する場合、ゼロ円プランの場合が多くてその変化に気が付きにくいのですが、SmartHRがどんどん進化しています。その進化の在りようを少しご紹介したくなりました。
SmartHR HPより:新オプション機能「人事評価」をリリースしました
SmartHRが世に出たとき、「なんと画期的な!」と思ったものでした。ある意味、freeeが世に出た際と同じ種類の感動。既成概念を覆す機能やUIは、保険手続きのことをあまり知らない社長さんでも、難しいことをあまり意識せずにいつのまにか帳票ができる仕様になっていて、とても新しさを感じました。
雇用契約書の管理ができる点も、強みのひとつでした。社労士の仕事がまたひとつなくなるな、と思ったものです(笑)。
ただ社労士法人としてはどうしても、「対応している帳票数」が気になってしまいます。多くの中小企業ではあまり目にすることのない手続きでも、社労士法人としてはそれなりに発生回数があるので、「マイナーなあの手続きにも対応していてほしいな」などと思ってしまいます。その点でSmartHRは、他の労務管理システムと比較すると対応帳票数がちょっと・・・と思っていたのですが、SmartHRが目指すところは、そんなところではなさそうです。つまり、もう「労務管理システム」として見るべきものではなくなっている、と考えたほうがよさそうなのです。
「分析レポート」機能をリリースしたのが2019年9月、翌年の2020年9月に「従業員サーベイ」機能をリリース。そして2021年10月、満を持して「人事評価」機能をリリース。SmartHRはここのところ、1年おきに確実に、人材開発や組織人事に関わる機能を追加してきました。これはもう、労務管理システムではなく「タレントマネジメントシステム」です。しかも、他のタレントマネジメントシステムとは異なり、労務情報と一体化できるという点が、これまでのタレントマネジメントシステムにはない新しい点です。
カオナビやタレントパレットなどのタレントマネジメントシステムは、どちらも高機能で非常に優れたシステムです。ただ、ここには労務管理機能はなく、外部連携によってその機能を補完します。SmartHRはそもそも持っている労務データと、人と組織を成長させるために必要な人事データとを自前で連携させることができる点は、強みだと思います。
HRBrainは、評価制度システムからタレントマネジメントシステムへと転身を図りましたが、もうすぐ労務管理クラウドをリリース予定となっています。多くのHRTechがこうして、人事データと労務データのすべてを連携させる方向へと、舵を切っていくのかもしれません。その変化の先頭を今、SmartHRが走っていっているのかもしれないですね。
「社会の非合理をハックする。」
「歴史に残るプロダクトをつくろう。」
SmartHRのHPにある「私たちについて」というページには、こんな、とても刺激的で魅力的な言葉が並びます。宮田社長が目指すコトがとても分かりやすく伝わる気がしますね。
数年前の大型資金調達の際の伝説のピッチコンテストを見て以来、SmartHRの企業成長という側面も注目してきました。これからもHRtech業界に巻き起こす新しい風に、期待したいと思います。